「クリプト」とは?仮想通貨と同じ意味?言葉の由来と関連用語を解説

「仮想通貨のことを調べていたら、『クリプト』という言葉が出てきたけど、これは何のこと?」

「クリプトと仮想通貨って、何か違いがあるの?」

ニュースやSNS、あるいは投資家の会話の中で、「クリプトの冬」「クリプト投資」といった言葉を耳にする機会が増えてきました。一見すると、仮想通貨と同じような意味で使われているように思えますが、その言葉の由来やニュアンスを理解すると、より深くこの世界を捉えることができます。

この記事では、「クリプト」という言葉の基本的な意味から、なぜそう呼ばれるようになったのかという語源、そして「クリプト」に関連する重要な専門用語までを、分かりやすく解説します。

「クリプト」とは?仮想通貨との関係

まず結論から言うと、一般的に「クリプト」と「仮想通貨(暗号資産)」は、ほぼ同じ意味で使われる言葉です。

  • クリプト: 英語圏で最も一般的に使われる、仮想通貨の通称。「Crypto」と表記される。
  • 仮想通貨/暗号資産: 日本の法律やメディアで主に使われる呼称。

日常的な会話や海外のニュースに触れる際には、「クリプト = 仮想通貨のこと」と理解しておけば、ほとんどの場合で問題ありません。

なぜ「クリプト」と呼ばれるのか?その語源

では、なぜ仮想通貨は「クリプト」という愛称で呼ばれるのでしょうか。

その語源は、仮想通貨を支える核心技術の一つである「暗号技術(Cryptography:クリプトグラフィー)」に由来しています。

「Crypto」は、ギリシャ語で「隠された」「秘密の」を意味する接頭辞です。そして「graphy」は「記述法」を意味します。つまり、クリプトグラフィーとは、第三者に通信内容を読み取られないようにするための「暗号化」や、データの正しさを証明するための「電子署名」といった、情報を守るための技術全般を指します。

ビットコインをはじめとする仮想通貨は、以下のような高度な暗号技術(クリプトグラフィー)を土台として作られています。

  • 取引の安全性を確保するための「公開鍵暗号方式」
  • データの改ざんを防ぐための「ハッシュ関数」


このことから、暗号技術によって成り立つ通貨、という意味を込めて「Cryptocurrency(クリプトカレンシー:暗号通貨)」という言葉が生まれ、その略称である「Crypto(クリプト)」が、通称として広く使われるようになったのです。

「クリプト」が仮想通貨より広い意味で使われることも

「クリプト」という言葉は、単に通貨(カレンシー)だけを指すのではなく、より広い文脈で使われることがあります。

それは、「暗号技術(クリプトグラフィー)を基盤とした、ブロックチェーン関連の技術、プロジェクト、文化圏全体」を指す場合です。

例えば、

  • DeFi(分散型金融)
  • NFT(非代替性トークン)
  • DAO(自律分散型組織)
  • Web3(次世代の分散型ウェブ)

といった、仮想通貨から派生した様々な分野や、それらを取り巻くコミュニティ全体を、包括的に「クリプトの世界」や「クリプトスペース」と表現することがあります。

この場合、「クリプト」は単なる「お金」以上の、新しい技術エコシステムやムーブメント全体を指す、より大きな概念として使われています。

覚えておきたい「クリプト」関連の基本用語

「クリプト」という言葉と一緒に、以下のような用語がよく使われます。これらも覚えておくと、情報の理解度が格段に上がります。

  • クリプトアセット (Crypto Asset):
    「暗号資産」の英訳。G20などで使われる、国際的に標準的な公的呼称。
  • クリプトカレンシー (Cryptocurrency):
    「暗号通貨」の英訳。「クリプト」の元となった言葉。
  • クリプトグラフィー (Cryptography):
    「暗号学」「暗号技術」。クリプトの語源となった、情報を暗号化・復号するための技術。
  • クリプトウォレット (Crypto Wallet):
    仮想通貨を保管・管理するためのウォレット。
  • クリプトウィンター (Crypto Winter):
    「クリプトの冬」。仮想通貨市場全体が、長期間にわたって冷え込み、価格が低迷する時期を指す相場用語。

まとめ:「クリプト」は技術への敬意を込めた呼称

この記事では、「クリプト」という言葉の意味と、その背景にある技術について解説しました。

  • 「クリプト」は、一般的に「仮想通貨(暗号資産)」と同じ意味で使われる、世界共通の通称。
  • その語源は、仮想通貨を支える核心技術である「暗号技術(クリプトグラフィー)」に由来する。
  • 文脈によっては、DeFiやNFT、Web3といった、ブロックチェーン関連の技術や文化圏全体を指す、より広い意味で使われることもある。

「仮想通貨」や「暗号資産」という言葉が、その法的な側面や資産としての側面に焦点を当てているのに対し、「クリプト」という呼称には、その背景にある革新的な暗号技術への敬意が込められている、と捉えることもできるかもしれません。