「仮想通貨に興味があるけど、何を見て判断すればいいのか全くわからない」
「チャートに出てくる専門用語が難しくて、どう見ればいいの?」
仮想通貨への投資を考え始めたとき、多くの人が最初にぶつかるのが「情報の見方」という壁です。価格チャートやプロジェクトの公式サイトには情報が溢れていますが、どこに注目し、どう解釈すれば良いのかを理解するのは簡単ではありません。
しかし、基本的な「見方」のフレームワークを知ることで、情報の渦に惑わされず、自分なりの判断基準を持つ第一歩を踏み出すことができます。
この記事では、仮想通貨を評価するための2つの主要なアプローチである「チャートの読み方(テクニカル分析)」と「プロジェクトの将来性の見方(ファンダメンタルズ分析)」について、初心者が押さえておくべきポイントを解説します。
仮想通貨の「見方」には大きく2つの視点がある
仮想通貨を評価する際の「見方」は、大きく以下の2つに分けられます。これらはどちらか一方だけではなく、両方を組み合わせて見ることが理想的です。
- テクニカル分析: 過去の価格チャートの動きやパターンを分析し、将来の価格を予測しようとするアプローチ。主に短期〜中期の取引で重視されます。
- ファンダメンタルズ分析: 仮想通貨プロジェクトそのものの価値や将来性を評価し、長期的な価格動向を判断しようとするアプローチ。長期投資で特に重要になります。
まずは、それぞれの基本的な見方について見ていきましょう。
チャートの基本的な見方(テクニカル分析)
価格チャートには多くの情報が詰まっていますが、初心者はまず以下の3つのポイントに注目することから始めましょう。
ローソク足:価格の動きが一目でわかる
チャートを構成する棒グラフのような図形が「ローソク足」です。これは、一定期間(例:1日、1時間)の価格の動きを「始値」「終値」「高値」「安値」の4つの情報で表現したものです。
- 陽線(通常は緑や赤): 終値が始値より高かった(価格が上昇した)ことを示す。
- 陰線(通常は青や黒): 終値が始値より安かった(価格が下落した)ことを示す。
ローソク足の形や並び方から、市場参加者の心理や勢いを読み取ることができます。
出来高:市場の盛り上がりを示す
チャートの下部に表示される棒グラフが「出来高」で、一定期間内にどれだけの量の仮想通貨が取引されたかを示します。
- 価格が上昇しながら出来高も増える: 多くの人が買っており、強い上昇トレンドである可能性。
- 価格が下落しながら出来高も増える: 多くの人が売っており、強い下落トレンドである可能性。
価格の動きと出来高をセットで見ることで、その価格変動の信頼性を測るヒントになります。
移動平均線:トレンドの方向性を見る
「移動平均線」は、過去の一定期間の終値の平均値を結んだ折れ線グラフです。これにより、価格の大きな流れ(トレンド)を視覚的に把握できます。
- 線が上向き: 上昇トレンド
- 線が下向き: 下落トレンド
- 線が横ばい: 方向感のない「レンジ相場」
多くのトレーダーが意識しているため、価格が移動平均線に近づくと反発したり、突き抜けたりする節目として機能することがあります。
プロジェクトの将来性の見方(ファンダメンタルズ分析)
長期的にその仮想通貨が成長するかどうかは、プロジェクト自体の価値にかかっています。以下の点を確認する習慣をつけましょう。
目的:どんな課題を解決しようとしているか
その仮想通貨プロジェクトが「何のために存在し、世の中のどんな問題を解決しようとしているのか」は、最も根本的な評価基準です。公式サイトや、プロジェクトの設計書である「ホワイトペーパー」を読んで、そのビジョンに共感できるか、実現可能性があるかを考えてみましょう。
開発チームとコミュニティ:プロジェクトの熱量を見る
誰がそのプロジェクトを開発・運営しているのかは非常に重要です。開発チームの経歴や実績が公開されているか、開発は活発に行われているか(GitHubなどで確認できる場合も)を見てみましょう。
また、X(旧Twitter)やDiscordなどのコミュニティが活発で、多くの人に支持されているかも、プロジェクトの将来性を示す重要な指標です。
提携・導入実績:社会的な信用の証
有名な企業と提携しているか、あるいはそのプロジェクトの技術が実際にサービスなどで利用されているか、という実績は、そのプロジェクトが社会的に評価されている証拠になります。公式サイトのニュースリリースやロードマップなどを確認してみましょう。
仮想通貨を見る上で初心者が注意すべきこと
- 一つの情報源を鵜呑みにしない: SNS上のインフルエンサーの発言や、一つのニュースだけで投資判断をするのは非常に危険です。必ず複数の情報源を確認し、最終的には自分で考える癖をつけましょう。
- 短期的な価格変動に惑わされない: 仮想通貨は価格変動が非常に激しい資産です。日々の価格の上下に一喜一憂せず、特に長期投資を考えるなら、プロジェクトの成長という大きな視点を持つことが大切です。
まとめ:多角的な視点を養うことが第一歩
この記事では、仮想通貨の基本的な「見方」について、チャート分析とプロジェクト分析の2つの側面から解説しました。
- 仮想通貨の評価には、短期的な値動きを見る「テクニカル分析」と、長期的な価値を見る「ファンダメンタルズ分析」がある。
- チャートの初心者は、まず「ローソク足」「出来高」「移動平均線」の3つに注目してみる。
- プロジェクトの将来性は、「目的」「チーム」「実績」などから総合的に判断する。
- 様々な情報を参考にしつつも、最終的には自分自身で判断するという姿勢が何よりも重要。
最初から全てを完璧に理解する必要はありません。まずはここで紹介した基本的な視点を持って、気になる仮想通貨を自分なりに調べてみることから始めてみましょう。