仮想通貨の「変換」とは?別の通貨への交換や現金化の方法を解説

「持っているビットコインを、イーサリアムに変換したいけど、どうすればいい?」

「仮想通貨を、最終的に日本円に変換(現金化)する手順は?」

仮想通貨を保有していると、他の通貨との交換や、法定通貨への換金といった「変換」が必要になる場面が出てきます。一見すると難しそうに感じるかもしれませんが、その基本的な仕組みと手順を理解すれば、誰でも行うことが可能です。

しかし、「変換」の際には手数料や税金といった、必ず知っておくべき重要な注意点も存在します。

この記事では、仮想通貨を「別の仮想通貨」や「日本円」に変換するための主な方法と、その際に発生するコストや注意点について、初心者にも分かりやすく解説します。

仮想通貨における「変換」の2つの意味

仮想通貨の世界で「変換」という言葉が使われる時、それは主に以下の2つの操作を指していることがほとんどです。

  1. 別の仮想通貨への「交換」:
    保有しているビットコイン(BTC)を、イーサリアム(ETH)やリップル(XRP)といった、異なる種類の仮想通貨に交換すること。一般的に「スワップ」とも呼ばれます。
  2. 法定通貨への「現金化」:
    保有している仮想通貨を売却して、日本円(JPY)や米ドル(USD)などの法定通貨に換金すること。

この記事では、これら2つの「変換」について、それぞれの具体的な方法を見ていきます。

【方法1】ある仮想通貨を「別の仮想通貨」に変換(交換)する

手持ちの仮想通貨を、別の種類の仮想通貨に変えたい場合、主に2つの方法があります。

取引所(CEX)を利用する方法

最も一般的で、初心者にも分かりやすい方法です。国内または海外の仮想通貨取引所(CEX:中央集権型取引所)を利用します。

  • 基本的な手順:
    1. 保有している仮想通貨Aを、その取引所で一度売却して日本円にする。
    2. その日本円を使って、目的の仮想通貨Bを購入する。
  • コンバート(交換)機能:
    取引所によっては、上記の手順を一度の操作で実行してくれる「コンバート」や「販売所(交換)」といった機能を提供している場合があります。これは手間が少ない反面、取引手数料が割高に設定されていることが多いです。

DEX(分散型取引所)で「スワップ」する方法

メタマスクなどのプライベートウォレットを持っている場合、DEX(分散型取引所)を利用して、より直接的に仮想通貨同士を交換(スワップ)することができます。

  • 基本的な手順:
    1. DEXのサイトに、自分のウォレットを接続する。
    2. 交換元となる通貨と、交換先となる通貨、そして数量を選択する。
    3. 提示された交換レートを確認し、取引を承認する。

DEXのスワップは、取引所に上場していないような新しいトークンを入手する際によく利用されますが、利用にはウォレットの操作やガス代など、ある程度の知識が必要となります。

【方法2】仮想通貨を「日本円」に変換(現金化)する

仮想通貨の利益を確定させたり、日常生活で使ったりするために日本円に換金する場合、日本の仮想通貨取引所を利用するのが最も基本的で安全な方法です。

  • 基本的な手順:
    1. 保有している仮想通貨を、取引所の口座内で売却する。
    2. 売却して得た日本円を、自分の銀行口座宛に出金申請する。
    3. 取引所からの振込が完了すれば、現金化は完了です。

海外の取引所や個人のウォレットに仮想通貨を保有している場合は、一度それを国内の取引所に送金してから、上記の手順で売却・出金を行う必要があります。

仮想通貨を変換する際の3つの重要な注意点

どのような方法で変換を行うにしても、以下の3つの点は必ず念頭に置いておく必要があります。

手数料(取引手数料・ガス代)

仮想通貨の変換には、必ず何らかの手数料がかかります。取引所を利用すれば「取引手数料」が、DEXを利用すればブロックチェーンに支払う「ガス代」が発生します。これらのコストを考慮しないと、思ったような利益が出ないことがあるので注意が必要です。

価格のズレ(スリッページ)

特にDEXでのスワップや、取引所で大量の成行注文を出した場合、画面に表示されていた価格と、実際に取引が成立した価格との間に、わずかなズレ(スリッページ)が生じることがあります。市場の流動性が低い通貨ほど、このズレは大きくなる傾向があります。

税金の発生

これは最も重要な注意点です。 仮想通貨の取引で利益が出た場合、その利益は課税対象となります。

  • 仮想通貨を日本円に変換(現金化)して利益が出た場合
  • 仮想通貨を別の仮想通貨に変換(交換)して利益が出た場合

この両方のケースで、利益が確定したと見なされ、課税の対象となります。「日本円にしていなければ税金はかからない」というわけではないので、注意が必要です。年間の利益額によっては、確定申告が必要になります。

まとめ:目的に合った変換方法を理解しよう

この記事では、仮想通貨の「変換」について、その主な方法と注意点を解説しました。

  • 仮想通貨の「変換」には、主に別の通貨への「交換(スワップ)」と、日本円への「現金化」の2種類がある。
  • 最も手軽で基本的な方法は、国内の仮想通貨取引所を利用すること。
  • プライベートウォレットを持っている場合は、DEXを利用したスワップも選択肢となる。
  • どのような変換方法であっても、手数料、価格のズレ、そして「税金」の発生には、必ず注意を払う必要がある。

自分が今、何をしたいのか(交換か、現金化か)を明確にし、それぞれの方法のメリットとデメリット、そして伴うコストを理解した上で、最適な変換方法を選択するようにしましょう。