仮想通貨Mantle(MNT)とは?BitDAOから進化したレイヤー2を解説

「最近、仮想通貨MNTという名前をよく聞くけど、一体どんなプロジェクト?」

「Mantleは他のレイヤー2と何が違うの?」

数多くのイーサリアム・レイヤー2ソリューションが登場する中で、ひときわ注目を集めているのが「Mantle(マントル)」とそのネイティブトークンである「MNT」です。

Mantleは、もともと巨大なDAO(自律分散型組織)であった「BitDAO」がリブランディング(ブランドの再構築)を経て誕生した、新しいレイヤー2ブロックチェーンです。

この記事では、仮想通貨Mantle(MNT)の基本的な仕組みから、その最大の特徴である「モジュラー構造」、そして将来性や注意点について詳しく解説します。

仮想通貨Mantle(MNT)とは?

Mantleとは、イーサリアムのスケーラビリティ問題(処理速度の遅延やガス代の高騰)を解決するために開発された、レイヤー2ネットワークの一つです。

そして「MNT」は、Mantleネットワーク上で利用されるネイティブトークンです。主に以下の2つの役割を持っています。

  1. ガバナンス: MNTトークンの保有者は、Mantleの運営方針に関する提案に投票する権利を持ちます。
  2. ガス代の支払い: Mantleネットワーク上で取引を行う際の手数料(ガス代)の支払いにMNTが使用されます。

BitDAO(BIT)からMantle(MNT)への大きな変化

Mantleを理解する上で欠かせないのが、その前身である「BitDAO」の存在です。

BitDAOは、数千億円規模の巨大な資産(トレジャリー)を持つ、世界最大級のDAOでした。その目的は、豊富な資金を使って有望なWeb3プロジェクトに投資し、エコシステム全体を成長させることでした。

2023年、このBitDAOはブランドを統一し、より効率的なガバナンスを目指すために、自らが支援していたレイヤー2プロジェクト「Mantle Network」と統合することを決定。これにより、BitDAOとBITトークンは廃止され、新たに「Mantle」と「MNT」トークンとして生まれ変わったのです。

Mantleの最大の特徴:「モジュラーブロックチェーン」

Mantleが他の多くのレイヤー2プロジェクトと一線を画す、最も重要な技術的特徴が「モジュラーブロックチェーン」という設計思想です。

少し専門的になりますが、分かりやすく解説します。

  • 従来のブロックチェーン(モノリシック):
    取引の「実行」「決済」「データ可用性」といった全ての仕事を、一つのブロックチェーンが担当します。多くの仕事を一人でこなすため、処理が遅くなりがちです。
  • Mantleのブロックチェーン(モジュラー):
    それぞれの仕事を専門の担当者に分業させます。Mantleは取引の「実行」に特化し、最も重い仕事である「データ可用性」を、「EigenDA」という別の専門サービスに任せています。

この分業制(モジュラー構造)により、Mantleは自身の負担を大幅に軽減し、取引処理の高速化とガス代の大幅な削減を実現しています。これは、イーサリアムのスケーラビリティ問題を解決する上で、非常に先進的なアプローチです。

Mantle(MNT)の将来性と注目ポイント

Mantleが将来的に成長する可能性があると考えられる、いくつかの注目ポイントがあります。

1. 巨大なエコシステムファンド

BitDAOから引き継いだ豊富な資金力は、Mantleの最大の武器です。この資金を使って、Mantle上で開発を行う有望なプロジェクト(DApps)に助成金を出すなど、強力にエコシステムを拡大させることができます。

2. EigenDA採用による先進性

データ可用性レイヤーとして、リステーキングで注目される「EigenLayer」の技術「EigenDA」をいち早く採用したことは、Mantleの技術的な先進性を示しています。これにより、他のレイヤー2に対するコスト競争力を持つことが期待されます。

3. リキッドステーキング(Mantle LSD)

Mantleは、イーサリアムをステーキングして得られる利回りを活用する「リキッドステーキング」の仕組みを独自に提供しています。これにより、ユーザーは資産を効率的に運用でき、Mantleエコシステム内に多くの流動性を呼び込むことが期待されています。

Mantle(MNT)に投資する際の注意点

高いポテンシャルを持つMantleですが、投資対象として見る際には、以下のようなリスクも認識しておく必要があります。

  • レイヤー2の熾烈な競争:
    ArbitrumやOptimism、zkSyncなど、レイヤー2市場にはすでに強力な競合が多数存在します。この激しい競争の中で、Mantleがユーザーと開発者を惹きつけ続けられるかは不透明です。
  • 新技術への依存:
    EigenDAのような新しい技術に依存しているため、未知のバグや技術的なリスクが存在する可能性があります。
  • 市場全体の動向:
    Mantleの価値は、イーサリアム本体の動向や、仮想通貨市場全体のセンチメントに大きく影響を受けます。

まとめ:豊富な資金力と先進技術を兼ね備えたレイヤー2プロジェクト

この記事では、仮想通貨Mantle(MNT)の概要と特徴について解説しました。

  • Mantleは、BitDAOがリブランディングして誕生したイーサリアムのレイヤー2ソリューション。
  • 最大の特徴は「モジュラー構造」と「EigenDA」の採用による、高い処理能力と安いガス代。
  • 豊富な資金力を背景に、強力なエコシステム拡大が期待される。
  • 一方で、レイヤー2市場の激しい競争などのリスクも存在する。

Mantle(MNT)は、そのユニークな成り立ちと技術的なアプローチから、数あるレイヤー2プロジェクトの中でも特に注目すべき存在の一つと言えるでしょう。