「仮想通貨って、ただ買って持っておくだけじゃもったいない?」
「売買以外に、もっと安定した運用方法はないの?」
仮想通貨を保有している、あるいはこれから始めようと考えている方の中には、単なる価格上昇を待つだけでなく、より能動的に資産を増やしていきたい、と考えている方も多いでしょう。
仮想通貨の世界には、短期的な売買差益を狙う方法から、銀行預金の利息のように資産を着実に増やしていく方法まで、驚くほど多様な「運用方法」が存在します。
この記事では、代表的な仮想通貨の運用方法を、初心者向けの基本的なものから、上級者向けのDeFiを活用したものまで、幅広く紹介し、それぞれの仕組みとリスクについて分かりやすく解説します。
【基本】仮想通貨運用の2つの利益タイプ
仮想通貨の運用で得られる利益は、大きく2種類に分けられます。どの運用方法がどちらを目指すものなのかを意識すると、理解が深まります。
- キャピタルゲイン(売買差益):
資産を「安く買って、高く売る」ことで得られる利益。価格変動を予測し、能動的に取引を行う必要がある。 - インカムゲイン(資産所得):
資産を保有し、貸し出したりすることで、継続的に得られる利息や報酬。資産を働かせて受動的に利益を得る。
【初心者向け】比較的シンプルな運用方法
まずは、仕組みが比較的わかりやすく、仮想通貨運用の第一歩として適した方法です。
現物取引(長期保有・短期売買)
最も基本的な運用方法です。仮想通貨を購入し、価格が上がった時に売却してキャピタルゲインを得ます。
- 長期保有(ガチホ): 将来的な大きな価値上昇を信じて、数年単位で売らずに保有し続ける戦略。
- 短期売買(トレード): 日々、あるいは数週間単位の価格変動を読んで、売買を繰り返す戦略。
レンディング(貸仮想通貨)
保有している仮想通貨を取引所などの事業者に貸し出し、インカムゲインとして利息を得る方法です。銀行の定期預金に似ており、一度貸し出せば期間満了まで手間がかからないのが特徴です。
ステーキング
PoS(プルーフ・オブ・ステーク)という仕組みを採用している仮想通貨を保有し、ネットワークの運営に貢献することで、インカムゲインとして報酬を得る方法です。レンディングと同様に、保有しているだけで資産を増やせる可能性があります。
【中級者向け】より積極的な運用方法
より高いリターンを狙う分、リスクや専門知識が求められる運用方法です。
レバレッジ取引
手持ちの資金(証拠金)を担保に、その何倍もの金額で取引を行う方法です。大きなキャピタルゲインを狙えますが、予測が外れた場合の損失も大きくなる、典型的なハイリスク・ハイリターンな手法です。
NFT投資
デジタルアートやゲーム内アイテムなどのNFT(非代替性トークン)を安く購入し、人気が出て価格が上がったところで売却してキャピタルゲインを得ます。市場のトレンドやコミュニティの動向を読む力が必要になります。
【上級者向け】DeFiを活用した高度な運用方法
DeFi(分散型金融)の世界では、さらに複雑で高いリターンが期待できる運用方法が存在しますが、専門的な知識と高いリスク管理能力が必須です。
イールドファーミング
DEX(分散型取引所)に2種類の仮想通貨をペアで預け入れ(流動性を提供)し、その見返りとして取引手数料や独自のトークンといったインカムゲインを得ます。「インパーマネントロス」という特有のリスクを理解する必要があります。
DEXアグリゲーターの活用
複数のDEXの中から、最も有利な交換レートを自動で探し出してくれるサービスです。最適なルートでスワップ(交換)を行うことで、わずかですが有利な価格で取引でき、これもキャピタルゲイン追求の一環と言えます。
どの運用方法を選ぶべき?リスク許容度を知ることが第一歩
これほど多くの運用方法があると、どれを選べば良いか迷ってしまいますよね。その判断基準となるのが、あなた自身の「リスク許容度」です。
- リスク許容度が低い方(安定志向):
まずはレンディングやステーキングといった、比較的仕組みが分かりやすく、安定したインカムゲインを目指す方法から少額で試すのが良いでしょう。 - リスク許容度が高い方(積極志向):
市場分析に自信があれば短期売買やレバレッジ取引、新しい分野に挑戦したいならNFT投資やDeFiといった、より高いリターンとリスクを伴う方法も選択肢に入ります。
まとめ:自分に合った運用方法を組み合わせよう
この記事では、仮想通貨の多様な運用方法について、その概要とリスクレベルを解説しました。
- 仮想通貨の運用には、売買差益を狙う方法(キャピタルゲイン)と、利息収入を狙う方法(インカムゲイン)がある。
- 初心者向けには、長期保有やレンディング、ステーキングが比較的始めやすい。
- DeFiなどを活用すれば、より高いリターンを目指せるが、その分、専門的な知識と高いリスクが伴う。
- どの運用方法を選ぶかは、自分自身のリスク許容度と、投資にかけられる時間や知識レベルによって決まる。
完璧な一つの運用方法というものは存在しません。実際には、「長期保有を基本としつつ、一部の資金でレンディングを利用する」「DeFiで得た報酬を、ビットコインの積立に回す」といったように、複数の運用方法を組み合わせることで、リスクを分散し、自分だけのポートフォリオを構築していくのが理想的です。
まずはそれぞれの運用方法の仕組みとリスクを正しく理解し、ご自身の投資スタイルに合ったものから挑戦してみてはいかがでしょうか。