仮想通貨は全部で何種類?ビットコイン以外のアルトコインを解説

「仮想通貨って、ビットコイン以外にもたくさんあるって本当?」

「世の中には、一体全部で何種類の仮想通貨が存在するんだろう?」

仮想通貨の世界に足を踏み入れたばかりの人が、まず最初に驚くことの一つが、その圧倒的な「種類」の多さです。ニュースで主に報じられるのはビットコインやイーサリアムですが、その背後には、星の数ほどの仮想通貨が存在しています。

この記事では、現在、世界に仮想通貨が何種類くらい存在するのかという疑問に答えつつ、なぜこれほどまでに多くの種類が生まれたのか、その背景と主なカテゴリーについて分かりやすく解説します。

仮想通貨は全部で何種類ある?

結論から言うと、仮想通貨の正確な種類をリアルタイムで把握することは、ほぼ不可能です。なぜなら、新しい仮想通貨は今この瞬間も世界中で生まれ続けているからです。

CoinMarketCapやCoinGeckoといった、仮想通貨のデータを集計している大手サイトに掲載されているだけでも、その数は2万種類を超えています。 掲載されていないものや、ごく小規模なコミュニティでしか知られていないものを含めると、その総数は計り知れません。

ただし、重要なのは、これら数万種類の仮想通貨は、大きく2つのグループに分けることができるという点です。

ビットコインと「アルトコイン」

仮想通貨の世界は、まず以下の2つに大別されます。

  • ビットコイン(Bitcoin / BTC):
    2009年に誕生した、世界で最初の仮想通貨。すべての仮想通貨の原点であり、基軸通貨としての役割を持つ。
  • アルトコイン(Altcoin):
    「Alternative Coin(代替のコイン)」の略称で、ビットコイン以外のすべての仮想通貨を指す言葉です。イーサリアム(ETH)も、リップル(XRP)も、その他数万種類の通貨も、すべてこの「アルトコイン」に含まれます。

つまり、仮想通貨の世界は「ビットコイン」と「それ以外のその他大勢(アルトコイン)」で構成されている、と理解するところからスタートするのが良いでしょう。

なぜ、これほど多くの種類の仮想通貨が生まれるのか?

では、なぜビットコインだけではダメで、これほど多くのアルトコインが次々と開発されるのでしょうか。それには、主に4つの理由があります。

ビットコインの課題を解決するため

ビットコインは画期的な発明でしたが、取引の処理速度が遅い、手数料が高騰することがある、といった「スケーラビリティ問題」を抱えています。これを解決するため、より高速で、より手数料の安い決済システムを目指して開発されたのが、ライトコイン(LTC)やビットコインキャッシュ(BCH)といった初期のアルトコインです。

新しい機能を追加するため

ビットコインの主な機能は「送金」や「価値の保存」に特化しています。これに対し、「スマートコントラクト」という、契約を自動で実行するプログラム機能をブロックチェーン上に実装し、通貨以上の「プラットフォーム」としての役割を持たせたのが、イーサリアム(ETH)です。これにより、DeFiやNFTといった新しい分野が生まれました。

特定の目的に特化するため

国際送金の高速化(リップル/XRP)や、取引の匿名性を高めるプライバシー保護(モネロ/XMR)、現実世界のデータをブロックチェーン上に安全に取り込む(チェーンリンク/LINK)など、特定の産業や用途に特化した課題解決を目指して、多くのアルトコインが開発されています。

ジョークや流行(ミーム)から

明確な目的や技術的な裏付けを持たず、インターネット上のジョークや流行(ミーム)を元ネタとして作られたアルトコインも数多く存在します。柴犬のミームから生まれたドージコイン(DOGE)やシバイヌコイン(SHIB)がその代表例で、「ミームコイン」と呼ばれます。

アルトコインの主なカテゴリー

数万種類のアルトコインも、その目的や機能によって、以下のようなカテゴリーに分類することができます。

  • スマートコントラクトプラットフォーム型: イーサリアム、Solana、Cardanoなど
  • 決済・送金特化型: リップル、ライトコインなど
  • DeFi(分散型金融)関連: Uniswap、Aaveなど
  • ミームコイン: ドージコイン、シバイヌコインなど
  • ステーブルコイン: USDT、USDCなど(法定通貨と価格が連動)
  • プライバシーコイン: モネロ、Zcashなど

投資対象として見る際の注意点

これだけ種類が多いと、どれに投資すれば良いか迷うかもしれません。しかし、重要な事実として、数万種類あるアルトコインの大部分は、最終的に価値がなくなるか、あるいは最初から資金集めだけを目的とした詐欺(スキャム)である可能性が高い、ということを認識しておく必要があります。

一つの信頼性の指標となるのが「時価総額」です。時価総額が大きいということは、それだけ多くの投資家から資金が集まり、信頼されている証拠と見なすことができます。新しい草コインに夢を見るのも一つの戦略ですが、まずは時価総額ランキングの上位を占める、実績のあるプロジェクトから調べていくのが、投資の王道と言えるでしょう。

まとめ:種類の多さは、技術の多様性の表れ

この記事では、仮想通貨の種類について、その数と背景を解説しました。

  • 仮想通貨は、現在確認できるだけで2万種類以上存在し、今も増え続けている。
  • 仮想通貨は、最初の通貨である「ビットコイン」と、それ以外の「アルトコイン」に大別される。
  • アルトコインは、技術的な改良や、新しい機能の追加、特定の目的のためなど、様々な理由から日々生まれている。
  • その大部分は価値がなくなるリスクを伴うため、投資対象を選ぶ際は慎重な見極めが必要。

仮想通貨の種類がこれほどまでに多いのは、ブロックチェーンという新しい技術を使って、世の中の様々な問題を解決しようとする世界中の開発者たちの、試行錯誤の歴史そのものと言えるでしょう。